椎間板の損傷とは?

脊椎の各椎骨の間にある椎間板には内側と外側を構成する2つの部位が存在します。その外側の部分を線維輪と言います。線維輪は丈夫で耐久性があって、背骨の安定性を保つ重要な役割を果たしています。しかし、この線維輪の部分が摩耗し、引き裂かれたり、ひび割れたりすることがあります。こうした損傷が生じた場合、数々の腰痛の問題につながる可能性があります。

椎間板とは何でできているのですか?

椎間板は、髄核と線維輪でできています。椎間板の内側にある「髄核」はゼリー状の物質です。髄核は、背骨のクッションとしての役割を果たしています。この役割のおかげで、身体を曲げたり、ねじったり、圧縮したりという動作が可能になります。

外側の層は線維輪と言います。この丈夫な層は、椎間板の上と下の椎骨に連結されています。この層は繊維でできており、大きな圧力に耐えられるように構成され、外に漏れないように内層を封じ込めています。

この2つの部位が連動し、背骨が耐えなければならない力を均等に分散させ、椎骨沿いに通る脊髄神経が挟まれない、そして背骨の痛みがないように椎骨同士が擦れ合わないようにします。

椎間板の損傷はどうして起こるのでしょうか?

線維輪は、15層から20層までの線維組織で形成されています。層の中の繊維の方向は交互に配列され、それによって線維輪の安定性と強度が維持されています。それにも関わらず様々な理由で線維輪に傷つけるときがあるのです。

椎間板の損傷の一番の原因は加齢です。年齢を重ねると、日々の消耗により繊維の機能低下が始まります。これを椎間板変性といい、多くの場合、影響は早ければ30歳過ぎてから現れます。椎間板がすり減ってくると、さまざまな動作で椎間板にストレスを与え、何度も何度も繰り返すと破れてしまうことがあります。

椎間板の損傷は、外傷という原因でも起こることがあります。その場合は、ある動作によって椎間板にあまりにも大きな負担がかかり、一瞬で断裂してしまいます。それは特に体操やアメフトなどの運動の激しいスポーツでよく見られますが、ウエイトリフティングやゴルフなども起こります。

椎間板の損傷を診断するには

ほとんどの場合、椎間板の損傷は画像技術を用いて診断されます。一般的に使用されている画像技術はMRIです。MRIは磁気共鳴画像法の略で、この技術によって、医師が脊椎の様々な構成要素を確認し、正常な椎間板と比較する事ができます。

椎間板が損傷した場合、断裂部に水分量が溜まっていくため、MRIでは、この異常が正常な線維組織と異なった形で画像に表示されます。正常な椎間板とは状態が異なる為、正しく診断できる場合が多いです。

痛みが神経や脊髄の圧迫によって問題になっていると判断した場合に、医者がコンピュータ断層撮影(CT、骨髄図)を利用して、椎間板損傷を検出することにもできます。この検査では、画像とともに色素を使用して脊柱管をスキャンし、損傷によって生じた解剖学的変化を特定することができます。

椎間板損傷による副作用は何ですか?

損傷を受けても症状が全くでないことが多く、自分では気づきません。しかし、損傷が悪化すると、他の脊椎の問題につながり、激しい痛みや他の問題を引き起こす可能性があります。

椎間板損傷の場合、痛みは通常、裂傷の周りの部位に局所的にとどまるか、または神経根が原因で、その神経に関係する様々な部位に影響を与えて放射性の痛みが現れます。

基本的に、局所的な痛みはより深く感じ、ある動作によって患部の椎間板を刺激したり負担を与えたりして悪化することがあります。放射性の痛みは、脊髄神経の刺激に起因していますので、脊柱管を通っている椎骨孔から出ている神経は、裂け目の周囲の炎症によって痛みを引き起こすことがあります。その他の場合は、椎間板の内側の層が漏れ始めると、神経が圧迫される原因となることがあります。

椎間板損傷の合併症の1つは椎間板内の髄核が漏れ出してしまうときです(リーキー・ディスク・シンドローム)。この場合、椎間板の髄核が少しずつに線維輪の小さな亀裂から漏れ出すときに起こります。これにより、椎間板が平らになり、圧迫や激しい力を耐える能力が減少されます。また、漏れたことで脊髄神経の周りに炎症を起こし、痛みが増えることもあります。

椎間板損傷は、加齢に伴って損傷していきます。裂傷は、外傷や変性性の椎間板疾患という原因で起こる疾患です。最初は大したことがない問題に見えるかもしれませんが、治療をせずに放置して悪化すると、どんどん悪影響が大きくなるときもあるのです。

 

この記事の参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK459235/
https://www.spinemd.com/symptoms-conditions/annular-tear

ケビン・パウザ医師のブログより引用・翻訳
https://discseel.com/what-is-an-annular-tear/