手術後に再発する疼痛などの症状について

脊椎への外科的手術は、現在最も行われている腰痛の治療法です。脊椎の痛みは様々な理由が原因で発生しますが、損傷がひどく深刻になると痛みが腕や足にも症状として現れることがあります。痛みの原因を解決する為に、外科的手術は有効ではありますが術後、損傷を治すことができず、痛みが続く場合もあります。このような症状を脊椎手術後疼痛候群(FBSS)と言い、手術後にも継続的な痛みやその他の合併症を引き起こす可能性があります。

脊椎手術後痛症候群(FBSS)とは?

背椎手術後痛症候群(FBSS)とは、脊椎の手術後に起こる継続的な痛み、手術前にはなかった新たな痛みのことを指します。ただ、FBSSの症例のすべての原因が手術の失敗というわけではありません。過去に背椎の手術を受けた患者の中には、手術後にも痛みが継続している方、もしくは望ましくない症状が残った方も指しています。実際に、脊椎の手術を受けた人の40%近くが、手術後に痛みを経験したことあると回答しています。この痛みはすぐに現れるだけではなく、症状がでるまで数か月かかる場合もあります。

脊椎の手術を受けた後、一旦痛みが治まり疼痛の病状が軽減したと感じられても、しばらくすると痛みが再発し、慢性的になることがあります。その他の場合では、手術をしても一切疼痛が改善されず、予想に反してさらに悪化することもあります。痛みの度合いや場所が変化することもあります。手術前は患者の腰や足のいずれかに痛みを感じていましたが、手術後は別の部位、もしくは手術前と手術後の痛みの両方が現れることもあります。

手術後の痛みはさまざまな理由で発生しますが、FBSSの場合、最も原因となりやすい手術の一つは脊椎固定術です。この治療法は、骨移植の際に私用するネジ、プレート、または他の医療器具を使用して、最低でも2つもしくは2つ以上の椎骨を一緒に結合します。そうして脊椎関節の動きを制限する事で、理論的には椎間板の変性や脊髄神経の圧迫による痛みをなくすことができると言われます。

しかし、この治療法は合併症の可能性が高く、骨移植と固定術が関節の固化に成功したとしても、関節が動かなくなったことで、脊椎の他の部位に負担がかかり、別の関節で以前と同じような損傷や痛み、不快感が現れる原因にもなるのです。

また、脊椎固定術自体が成功しなかった場合、例えば骨移植片が既存の骨との結合に失敗したり、ネジやプレートが緩んでしまったり、または完全に壊れてしまったときは、それぞれの原因に関係する疼痛が再発する可能性があります。

FBSSに対して可能な治療法

FBSSで悩まされている場合、痛みに対処するために一般的に使用される治療法がいくつかあります。その中には、脊髄注射、神経根ブロックによって脊椎の痛みが生じる患部の感覚を鈍らせます。また、脊椎のデリケートな部位への圧迫感を和らげるための方法として、筋力トレーニングや理学療法プログラムもあります。

これらの治療法で改善がみられない時は、より積極的な治療法を選択していきます。方法の一つとして、電流による神経感覚の調整という方法です。この治療法の考え方としては、痛みが発症している周辺の脊髄神経に電流を流し、神経が痛みを伴う刺激を脳に伝達するを防ぐことができ、効果的に痛みを緩和させるということです。この方法で結果が出れば、次に小さな電池を患部に埋め込み、絶えず刺激を与えて神経の機能を変化させることも可能です。

痛みに対処するために、さらなる外科的処置が行われることもあります。たとえば、脊椎固定術、椎間板の置換または除去、椎骨の骨組織の一部の除去などの治療が含まれます。しかし、こうした再手術はいずれも元の手術と同じリスクを伴います。手術が疼痛の根本的な原因を解決できない可能性があるからです。さらに再手術によって、脊椎の別の部位に他の問題が起こる可能性があります。

FBSSは、脊椎の痛みに対処するために手術を受けた患者によく見られる問題です。脊椎の手術の回復が難しく、体の他の部位の手術の成功率は高くありません。治療法を決める前にこうしたリスクや様々な治療法を検討することが重要です。外科的手術が効果的な場合もありますが、合併症の可能性が高く、将来的に再手術も必要になるかもしれません。

参照リンク
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/35/2/35_20120416009/_pdf

ケビン・パウザ医師のブログより引用・翻訳
https://discseel.com/is-failed-back-surgery-syndrome-a-thing/